イソガシ村のイライラママがSTEPママに変わるまで

1児(3歳女子)のママ Kさん

命令口調のイライラママ

私はイソガシ村に住む、イライラママです。いつも時間に追われ、子供をむりやり自分のペースに巻きこんでしまいます。

朝夕の主人の送り迎えにも、家に子供をひとり残しておくわけにもいかず、眠くて目をこすっている娘を朝食も、そこそこに連れ出す毎日です。

「早くしなさい!」

「さっさとしなさい!」

「本当に、のろまさんね!」

イライラママの口から出る言葉は、いつも命令調です。2歳を過ぎて自我に目覚めはじめた娘は、第一次反抗期とでも言うのか、言えば言うほど反対の行動をとり始めました。

 

イライラママの機関銃が娘に集中攻撃をあびせても、彼女はしょげるどころか知らん顔。聞いているやら、いないやら、ますますママのイライラはつのります。ママは、自分の感情をどうすることもできず、ついつい娘に投げつけてしまいますが、本当はそれがどんなにいけないことかも知っているのです。

子供の胸に突き刺さっていた言葉

イライラママの心の中には、子育てを学んだママが潜んでいます。イライラの感情にぶつけている間にも、じつは子育てを学んだママのささやきが聞こえているのです。

 

娘が、まだおもらしをしていた頃のことです。

娘 「ママ、ちっちしちゃったよ・・・」

私 「え-っ、またぁ!? さっきしたばかりじゃないの」

娘 「・・・」

私 「だめねぇ。どうしていわないの」

娘 「・・・」

私 「もう、いいかげんにして!」

イライラママが娘のお尻をぴしゃり。

 

子育てを学んだママがささやきます。

「失敗を叱らずに、成功をほめてあげればいいのよ。いつもいつも叱っていたら、そのうちもらしても教えてくれなくなるわよ」

でも、イライラママはおさまりません。

「どうして、さっきトイレに行ったときしないのよ!もう知らない!」

「ママ、きらい!」

捨てぜりふもそこそこに、情けない気持ちで娘のパンツを洗います。

家事は、この一件でいつも中断するし、叱りつけた後の後味の悪さも残ります。子育てを学んだママのささやきも聞こえていたのに、自分の気持ちを押さえることができなかったのです。

 

子育ての学びの場の学習会を終えて、一年近くが過ぎています。いつのまにか、子育てを学んだママのささやきが活字だけのものになっていたようです。

 

でも、子育てを学んだママのささやきが生きた言葉として、ふたたびイライラママの胸に帰ってきました。

それは、こんな事があったからです。近ごろ、お人形遊びをするようになった娘は、ときどき芝居のせりふを言うようにお人形とおはなしをしています。『女の子らしくなったこと』と、思い耳を傾けると・・・。

「どうしたの? あらあらあら、ちっちしちゃったの? だめねぇ、もう! だから、言ったじゃないのぉ!」

娘がイライラママそっくりのきつい口調でお人形を叱っているではありませんか。聞いていないようでも、子供の胸にはイライラママの言葉がしっかり突きささっていたのです。そう気づいた瞬間、恥ずかしくてたまらなくなりました。

娘とのいい関係を

「従属物としてではなく、親友に対する態度で接しよう」これが、子育ての学びの場を終えたとき、一番深く印象に残っていた言葉であり、今の私のモットーになりました。

今でもついつい、イライラママになってしまいますが、叱っても子供がなぜ叱られたのかわかるまで子供と対話するように心がけています。

私 「どうして叱られたのかわかる?」(子供と同じ目の高さで)

娘 「・・・」

(何とかとりつくろいたくて、私の首に腕をまわしてきます)

私 「何がいけないことだったのかな」

(私も娘の体に腕をまわして、抱きよせてあげます)

娘 「おもちゃ投げたから・・・」

(ぼつぼつと返事をしはじめます)

私 「うん、それから?」

(来た来たと思いながら)

娘 「拾わなかった」

私 「そうね。投げたら壊れちゃうし、そのままにしといたら踏んじゃって痛いしね」

娘 「うん、〇〇ちゃんタカヅケルもん」

そして最後は、娘の「ごめんね」を聞けるようになりました。

 

落ち着いて、どうしていけないかを娘と一緒に考えているうちに、それが娘の問題ではなく、親の問題であることがわかったりして、こちらがあやまることもあります。そうです。忙しいのはいつも私の勝手で、子供にしてみればとんだ災難なのです。

 

そんな私でも、週に2回のスイミングでは、たちまち 子育てを学んだママに変身です。子供といっしょに過ごす1時間は、気持ちもゆったり、スキンシップも充分です。ひとつのことに娘と没頭できる時間を持てて、子育てを素直な気持ちで見直すこともできました。

娘はスイミングをとても楽しみにしており、一進一退はありながらも、ようやく一人で泳げるようになりました。この達成感を共に味わえたことが、私たち親子にはとても大きな収穫でした。言葉を荒げて叱っても、この時問には、いつも良い関係に戻すことができました。

きっと二人とも、プールでストレス解消をしていたのですね。3歳からは親子分離のレッスンが始まります。もうスイミングに頼らずに、つねに娘とのいい関係が保てるよう、子育ての学びの場・STEP勇気づけセミナーのテキストを、まためくりはじめた今日この頃です。